ブロッコリー ( タキイ種苗 http://www.takii.co.jp/tsk/hinmoku/abr/p2_bdy.html )
● ブロッコリーの住みやすい環境
耐暑・耐寒性は強いが、生育には温暖な気候が望ましいでしょう。
発芽適温
最適温度は20~25℃です。
生育適温
適温は15~20℃です。
花芽分化
低温によりますが、低温感応の温度と苗の大きさは品種によって異なります。
花蕾の発育適温
良質の花蕾をとるには15~18℃が適温です。
● ブロッコリーの花芽分化と花蕾の発育
緑色植物春化型(グリーンプラントバーナリゼーション)
キャベツと異なりブロッコリーはトウ立ちをした蕾(花蕾)を利用する野菜です。したがって成長点が花芽分化をして、蕾を形成する必要があります。
ブロッコリーは栄養生長(茎葉の発育)を十分経過して一定の大きさに達した苗が、ある期間連続して低温にあうと花芽分化し、生殖生長に移行します。花芽 分化の後、花蕾を形成し、肥大します。この低温感応する苗の大きさと温度は品種によって異なり、低温遭遇期間も品種差があります。
品種と花芽分化の条件(一定温度での状態)の目安
早晩生 | 必要な低温の程度 | 必要な苗の大きさ (最低限播種後日数) | 展開葉数 | 必要な低温の期間 |
極早生種 | 20~23℃ | 小(20~35日以上) | 7~8枚 | 短(30日以上) |
早生種 | 17~18℃ | 中(35~40日以上) | 7~8枚 | 中(40日以上) |
中生種 | 12℃前後 | 中(35~40日以上) | 10~12枚 | 中(40日以上) |
晩生種 | 5℃以下 | 大(40日以上) | 12~15枚 | 長(50~60日以上) |
・小苗ほど低温期間必要、大苗ほど期間が短い。
● ブロッコリー栽培のポイント
(1) | 床土の準備 土づくりと輪作により連鎖障害を回避します。完熟堆肥を施用し、吸収量にあわせた適量施肥に努めます。土壌酸度pHは6~6.5に矯正します。下記はおおよその目安としてください。 ・極早生~中早生 N:P:K=20~25:20:20~25kg 早生種は元肥主力、中早生は元肥2/3残り追肥。 ・中生~中晩生 N:P:K=25~30:25:25~30kg 中晩生種は緩効性肥料を中心に元肥1/2残り追肥。 |
(2) | 苗作り 苗質の均一のものを用い、生育をそろえます(発芽を斉一にし、根量の多いガッチリした苗作り)。 |
(3) | 定植 秋冬作は本葉4~5枚の苗を、株間33~35cmに4,500本/10aくらいを目安に定植します。春夏作では本葉5~6枚のやや大苗を、株間35~40cm目安に10a当たり3,600~4,000本程度定植します。 |
● ブロッコリーの栽培型と適品種
作 型 | 播種期 | 収穫期 | 適 品 種 例 | 注 意 点 |
夏まき年内どり | 7月中旬~ 8月上旬 | 10月中旬~ 11月中旬 | ハイツSP、グリーンパラソル、シャスター、トップギア | 栽培容易。中期以降の肥効はゆっくり効かせます(花蕾形成期以降から出蕾まで)。 |
夏まき冬どり | 8月上中旬 | 1~3月 | キャッスル、グリーンビューティ、エンデバーSP、メガドーム | そろいのよい健苗で植え傷みを防ぎます。 乾燥・肥切れ、アントシアンの着色に注意。 |
秋まき春どり | 9月下旬~ 10月上旬 | 3月中旬~ 4月中旬 | チャレンジャー | 中晩生種で10月下~11月上旬まき。年内定植。 |
春まき初夏どり | 1~2月 | 4~6月 | ハイツSP、グリーンパラソル、フォレスト、トップギア | 気温が急激に上昇しバランスが崩れやすい。育苗温度に留意し活着促進。一気に仕上げます。 |
冷涼地夏秋どり | 3~6月 | 6~10月 | ハイツSP、グリーンパラソル、フォレスト | 上記と同じ注意をするとともに後半の高温乾燥や多湿に対応。 |